要約<br>藤原直哉氏による「二十一世紀はみんながリーダー」の2025年1月21日放送では、人材流動化の時代をテーマに、日本の経営環境の変遷と今後の展望について詳細な分析が行われました。<br>藤原氏は、最近の人手不足倒産が従来の「人が足りない」ことではなく、「人が辞める」ことによって起きているという新聞記事を引用し、現代の経営課題の本質を指摘しました。昭和時代の日本経営では「設備は取り替え可能だが、人は取り替え不可能」という考え方が主流でしたが、平成時代には「人は取り替えられる資産で、大切なのは設備」という正反対の思想に転換したと説明しました。<br>現在の状況について、藤原氏は金利上昇により設備投資の負担が増大し、短期金利がゼロやマイナスから上昇したことで、大量に借金をした企業が困窮していると分析しました。最低賃金の上昇と過重労働の制限により、従来の稼ぎ方が困難になっているとも指摘しました。<br>1980年代に始まった新自由主義について、藤原氏はアメリカのFRBによる金融政策により潤沢な資金供給が可能になり、設備投資優先の時代が到来したと説明しました。しかし、この時代は終焉を迎え、円キャリー取引の困難化やトランプ政権による為替政策への監視強化により、従来の資金調達手法が機能しなくなったと述べました。<br>優秀な人材の働き方について、藤原氏は「仕事ができる人ほどお金ではなく職場環境を選ぶ」と強調し、社内の内部抵抗(いがみ合いや調整コスト)が少ない組織が選ばれると説明しました。設備先行ではなく人先行のアプローチが必要で、優秀な人材が活躍できる場を作ることが重要だと主張しました。<br>投資家の役割について、藤原氏は新自由主義下での投資家を「原子炉のウランのような危険な存在」と比喩し、適切な規制により安全な市場メカニズムを構築する必要があると述べました。しかし、現在は市場メカニズムが歪められ、洗脳された投資家から資金を巻き上げる機関と化していると批判しました。<br>今後の展望として、藤原氏はトランプ政権による金融政策の転換により、金銭至上主義の価値観が崩壊し、真の実力者が浮上してくると予測しました。日本については、平成のバブル崩壊により表面的な金融関係者は淘汰され、製造業や農業、サービス業の現場では優秀な人材が静かに活動を続けていると評価しました。<br>最後に、藤原氏は二宮尊徳の手法を参考にした経営アプローチを提唱しました。巨大投資ではなく、勉強とコツコツとした自立、実力蓄積、貯蓄による投資、リターンの再投資という循環を通じて、持続可能な成長を実現することが重要だと述べました。ケインズ主義への回帰は政府の資金不足と能力の限界により不可能であり、自力での取り組みが必要だと結論づけました。<br>