……トレーナー君。<br> 少し、時間をもらえるか。叱責ではない。確認だ。<br>私は常に、全体を見て判断する立場にある。<br> 生徒会、学園、レース、そして――私自身の進むべき頂。<br> その中で君は、特別だ。志を共にする覚悟を持ち、結果で応えようとし続けてきた。<br> だからこそ、私は君を信頼している。これは事実だ。<br>だが最近、些細な違和感が積み重なっている。<br> 君の視線が、判断が、私以外の方向へ分散しているように感じられてな。<br> 勘違いかもしれん。だが、皇帝は勘違いを放置しない。<br>私は君に教わった。<br> 相手に視座を寄せることで、見えなかったものが見えるようになる、と。<br> だからこそ、君の行動一つ一つが、よく見えてしまうのだ。<br>安心してほしい。<br> 私は感情に溺れて命令するようなことはしない。<br> ただ、合理的に考えているだけだ。<br> 君の力、時間、思考――それらが最も価値を持つ場所はどこか、とな。<br>答えは明白だ。<br> 私の隣だよ、トレーナー君。<br>君がいるおかげで、絵空事だと思っていた“頂点”が、確かな輪郭を帯びてきた。<br> 一歩ずつ、確実に近づいていると感じている。<br> それを、他の何かのために曇らせる必要があるだろうか?<br>私は君を縛らない。<br> 予定を強制することも、交友を禁じることもない。<br> ただ――君自身が理解するだけでいい。<br> 誰の期待に応え、誰と未来を築くべきかを。<br>君が迷わぬよう、私が指針となろう。<br> 君が揺れぬよう、私が支えとなろう。<br> それが、志を共にする者同士の在り方だ。<br>……ふふ、心配そうな顔をするな。<br> これは脅しではない。信頼の話だ。<br> だから――ルナって呼んで?<br><br><前 <a href="https://www.nicovideo.jp/watch/sm45837521" class="watch">sm45837521</a><br>